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「障害年金」をを知らない医師が多い問題 日経メディカルよりの引用(2023/8/15)

 ある慢性疾患に苦しむ医師から相談を受けました。「医療費の自己負担が額が高くて高額療養費制度を使ってもうまく生活が回らない。仕事もほとんど休んでいるし・・・・・・」というものでした。話を聞いているとどうやら障害年金を申請していないことが分かりました。「一度申請に向けた相談をしてみませんか?」と助言してみました。
 実にあっけなく、半年後に、約半年後に障害厚生年金2級の認定が下りました。申請している間に疾患が進行して職場は辞されたそうですが通院生活がラクになったと聞きました。いやあ、良かった。
障害年金は、条件さえ満たせば誰でも支給を受けられますが、この制度の存在を知らない医師が多いのが実態だと思います。
その理由は、医師はこのようなお金が絡む制度について学ぶ機会がほとんどないことです。学部時代や医師国家試験の勉強で一瞬目にしたかもしれませんが、その後は、興味がなければもう忘却のかなた。コメディカルの職員に丸投げになっちゃいます。
「患者の医療費負担や社会生活に目が行き届かない医師が多い」と書くとトゲがありますが、「これって誰が気付くべきなのだろうか」と思われる難解な制度が世の中には多すぎます。障害年金だって相談すれば病院の専門スタッフや社会保険労務士さんが対応してくれるでしょうが、そもそも相談するところまで患者自身がたどり着かないのです。これが問題です。
 さて、障害年金とは高齢になってもらえる老齢年金と同じ年金制度の枠組みですが、病気やケガでもらえる点が特徴です。「障害者手帳」(福祉)の仕組みと混同されることもありますが、障害年金は社会保障制度に該当し、両者は別のカテゴリーです。障害者手帳の申請に用いる診断書・意見書は指定医しか記載できませんが、障害年金の申請のための診断書はどの医師でも記載できます(精神疾患で一部例外があります)。
 上述したように、この制度を使えるであろう患者さんがいても、あまり申請されていないという現状があります。高い医療費で困っている患者さんに対して一声掛けられるかどうかが治療継続性にも影響するので、医師の皆さんも必ず知っておいて欲しい制度なのです。
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